Hospital Up Diary

新人医療事務のプチ勉強会

【高額医療費貸付制度】と【高額診療費受領委任払制度】

 

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医療はお金がかかる!そんなイメージですよね。実際そうなんです。特に入院費については、外来診療と違い莫大に費用がかさみます。そんな中、高額医療費制度を利用してなるべく負担なく医療を受ける方法があります。

それと付随して【高額医療費貸付制度】と【高額医療費受領委任払制度】があります。皆さん知っているでしょうか('Д')知らないですよね。むしろ高額医療費の仕組みも複雑なのにそんな事まで覚えていられないのが現状と思います。

 

どんな時に活用する制度なのか?

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高額医療費制度には事前に申請し、「限度額適応認定証」すると病院窓口での支払いが高額医療費に対応した分で済むという方法があります。しかし、なんらかの理由で「限度額適応認定証」が間に合わず、高額医療を全部払わないといけないとします。事後申請の高額医療費申請には払戻(償還)まで3ヵ月以上必要なケースもあります。

そんな時に、金欠で生活が困難になってしまう方のために【貸付制度】と【受領委任払制度】があります。二つともに健康保険診療における高額医療費制度を基礎として利用できる制度になりますのでご注意を( `ー´)ノ

 

高額医療費貸付制度

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医療費が高額になり、一時的にも支払いえない場合に高額医療費で返ってくる額の8~9割のお金を無利子で貸してくれる制度です。貸付を行ってくれるのは加入している保険者になります。保険者によってこの制度を取り扱っていない可能性もあるので注意が必要です。第一選択は限度額適応認定証ですが、それができない場合に金銭的な負担を和らげるため利用します。貸付を行った保険者は高額医療費で返ってくる金額をそのまま徴収します。高額医療の8割を借りた患者さんは、8割が保険者へ2割は患者さんへ返金(還付)されます

実際には限度額適応認定証の発行を待ってくれる病院も少なくないので、あまり利用される方はいないのかもしれません。限度額適応認定証を退院後も待ってくれる事は病院さんによって対応はさまざまです。必ずしも待ってくれる病院ばかりではないため、対応してくれなくてもそこは納得をしましょう('◇')ゞ

 

高額医療費受領委任払制度

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これについてはいくつかの呼び名がありますので、ここでは代表して「高額医療費受領委任払制度」と呼びます('◇')ゞ

先述の「貸付制度」とは異なり、病院へ受領委任依頼が保険者から来ます。簡単な話、高額医療費が下りるまでの病院に支払いを待ってくれというものです。保険者が病院へ「高額医療費下りたら、病院へ支払いします」と高額医療費の受領を患者から委任される形をとります。担保として患者は高額医療費の1割を一旦支払い、高額医療費が下りたら1割を返金(償還)される仕組みです。

これは病院サイドが受領委任をする意思表示が必要なため、病院によって取り扱いがあるかが変わります。病院からしたら、支払いが滞るため積極的にOKは出しにくい制度になりますね( ゚Д゚) 受領委任を断る病院もあります

国保保険料の滞納者の利用が多い印象がありますので、支払い能力が低い場合は病院が嫌がるケースもあります。しかし、医療は支払い能力とは関係なく提供しなければいけないため、悩ましいところです( ;∀;)

 

 

できるだけ入院が分かり次第「限度額適応認定証」の発行を急ぎましょう。約1週間程度で発行してくれます。もし困れば上記の制度もあります。それぞれ、名前は漢字ばかりで複雑ですが、内容がわかればさほど複雑な制度ではないため、ぜひ覚えておきましょう('◇')ゞ

 

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